株式会社江田島造船所

株式会社江田島造船所様

経理・総務部の高田耕自部長は外国人技能実習生を受け入れるならベトナム!と決めていました。その理由は周囲から聞くベトナム人材の評判が高かったためです。2006年から受け入れを開始して満10年。危険が伴う造船現場でどのように外国人技能実習生が活躍しているのでしょうか。

株式会社江田島造船所は広島港からフェリーで20分ほど、江田島という島にあります。1942年に創業した鋼船の修繕が主な事業です。この日も、大きな船が工場脇に停まっていました。仕事は溶接を中心とした火器を使う危険な作業に加え、力仕事の肉体労働です。そのため、採用基準は「とにかく首が太くて、体が丈夫で、元気がいいことを重要視しています」と高田部長。今回は造船就労者として再入国しているロイさんにもお話を伺いました。

企業側の目線

船を修理する仕事は道具の種類が多く、火を使うため危険が伴い、一歩間違えれば大ケガにつながります。そのため、高田部長は技能実習生がスムーズに道具の種類や危険な作業に対して安全対策を徹底できるよう、独自の資料を作りました。また、四季の寒暖差が厳しい日本では体調管理がとても大切です。

「造船現場は屋外作業なので、夏場は熱中症対策、冬は防寒対策を行うなど体調管理には特に気をつけてもらいたかった。いろいろ説明しなければならない時、公益財団法人国際研修協力機構(JITCO)の発刊する冊子がとても便利でした」と高田部長。この冊子では季節ごとの体調管理方法や日本の時事ネタをベトナム語で掲載しており、タイムリーな内容を技能実習生に周知できとても役立っているそうです。

技能実習生側の目線

ロイさんは親戚が船の修理業を営んでいた為、小さい頃から船に乗る機会があったそうです。「実習先が船を修理する会社と聞いて興味が湧きました。でも、僕が乗っていたのは木製の小さな船。仕事では大きな機械を使って金属製の船を作ります。日本人と一緒に仕事をするから最初は日本語を覚えるのがとても大変でした。特に危険が伴う仕事なので大きな声で怒鳴られたりするのはしょっちゅう。たくさん怒られながらも、とにかく必死で仕事を覚えました」とロイさん。道具の名前を覚えるのも一苦労でしたが高田部長が用意してくれた資料があったのでとても助かったそうです。

インタビュー中のこぼれ話

ー プライベート編
現在彼らの寮は、1階がベトナム人技能実習生・就労者、2階がフィリピン人の家族という部屋割りで一戸建てに住んでいます。休日はほとんど4人で遊びに行き、町内のお祭りやゴミ拾いなどにも積極的に参加しています。
中でも、初めて技能実習生を受け入れた時に指導して下さった方が定年退職後も目をかけてくれるのが嬉しいそう。とても厳しい指導だったそうですが技能実習生を本当の家族のようにかわいがっています。それに対し、彼らも慕って一緒に遊びに行ったり、飲みに行ったりするのだとか。
時には帰国生と共にベトナム旅行に行き、本場のベトナムを楽しんだこともあるそう。国を越え、世代を超えて親子以上の付き合いができているのは、良好な関係が築けている証です。
ー こんなときに助かった組合の対応
技能実習生の受入には煩雑な書類作成や事務手続きがあり、また日本で生活していく上でも必要な手続きや病院の対応等が必要となることもあります。このような手続き関係をとてもスムーズに対応してもらえることが組合を信頼しているポイントです。
しかし何と言っても、一番印象に残っているのは、技能実習生の指導に手を焼いた際、彼らの精神的な支えとなり、細かなニュアンスも一緒に指導してくれた通訳サポートです。
10年間受け入れてきた中で、高田部長は会社や周囲の意を理解できず、また自分の考えを変えられず孤立している技能実習生にかなり厳しく指導することがありました。
『受け入れた以上はきちんと育てたい』という熱意があったからこそ、あえて厳しい指導で臨みました。落ち込み悩んでいる技能研修生に組合スタッフが相談に乗ったり、励ましたりと働きかけ続けました。
つらい時期を乗り越えた結果、その技能実習生は飛躍的に成長し、最終的には会社でも一目置かれる存在になりました。
企業から厳しい指導を受けた技能実習生はいろいろな不安を抱えます。その中で精神面のサポートをしていくのも組合の仕事。いろいろな技能実習生を見てきたスタッフが彼らの精神状態に合わせて適切にサポートをしていきます。
ー エピソード
ベトナムの技能実習生たちは全員がとにかくボーリングが強いそうで、毎年行われる社内のボーリング大会ではいつも優勝するそうです。本人たちも、たくさんの景品が出るので大喜び。
「とにかくボーリングがうまいんです!」と驚く高田部長ですが。それもそのはず、彼らは会社に褒められるのがうれしいだけでなく、豪華な景品がもらえるため休日のほとんどを遊びを兼ねてボーリングの練習に明け暮れているそうです。

企業、技能実習生の今後

作業現場を覗くと、厳しさの中にも日本人の職人の中でかわいがってもらいながら冗談交じりにやり合う姿も垣間見ることができました。今ではごく当たり前にベトナム人技能実習生が会社の一員となっており、一緒に食事に行ったり、お酒を交わしたりといった付き合いをしています。
造船就労者として再来日しているメンバーがいるのも、3年間の信頼と良好な関係があってこそ。メンバーは入れ替わっても、先輩から後輩へ伝統が引き継がれ、お互いの信頼を高めながら、ベトナム人技能実習生の採用が続いているのでした。

企業プロフィール

会社名 株式会社江田島造船所
設立年 1942年1月1日
代表者 代表取締役 出木谷学
ご担当者様 総務部長 高田耕自
住所 広島県江田島市江田島町小用3丁目17番15号
事業内容 鋼船の建造、修繕業
主要商品 貨物船、タンカー、タグボート、台船
従業員数 29名
URL http://e-zousen.jp/
実習生について
国籍 ベトナム
受入開始年月 2006年10月
採用人数(累計) 11名
受入職種 溶接

阪神金属協同組合

〒650-0015
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TEL:078-366-2887 /  FAX:078-341-2889

〒732-0807
広島市南区荒神町5-8 キャッスル林2F
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〒700-0901
岡山県岡山市北区本町6-36 岡山第一セントラルビル4階
TEL:086-800-1372 / FAX:078-341-2889

組合概要